床屋That's学

 

 

床屋に関係する雑学です。

 

お気軽にお読みください。

 

*サインポール

 

 

床屋さんの店頭でよく見る赤・青・白のクルク

 

ル回っている看板。サインポールと言います

 

いったい何の意味かというと・・・

 

 

赤は動脈・青は静脈・白は包帯を表していると

 

も言われていますがどうも違うようでして。

 

 

 

中世ヨーロッパでは、理容師は外科医を兼ねて

 

「理容外科医」と呼ばれていました。そこで病

 

気などの治療法に体内に溜まっている有害物や

 

不要物を血液と共に外部に排出させて症状の改

 

善をはかる治療法「瀉血~しゃけつ~」があっ

 

た。患部を切開して血を抜き取る際、患者に赤

 

く塗った棒を握らせ、腕を固定し、そこを血が

 

伝って受け皿に落ちていくようにした。その棒

 

は「理容外科医の棒」と呼ばれた。治療後、洗

 

浄した棒と傷口に巻いた白い包帯を店の軒先に

 

干していると、風に吹かれ白い包帯が赤い棒に

 

らせん状に巻き付き、これがサインポールのデ

 

ザインになったといわれる。

 

 

1745年イギリスで、理容師と外科医が分離され

 

た際に、外科医は白地に赤(赤十字)、理容師は

 

を加える事が定められた為、理容師のサイン

 

赤.白.青の3色になり現在の回るサインポール

 

原型になった。

 

 

色々諸説はあるがこれが有力と言われていま

 

す。


*床屋の始まり、名前の由来。

 

 

1200年代、武士出身の家柄である采女亮(うね

 

のすけ)という人が現在の山口県下関市で、

 

の武士を客として月代(さかやき)剃り髪結

 

を始めたのが日本における最初の床屋と言わ

 

ている。

 

店には床の間が設えられ、そこには亀山天皇を

 

祀る祭壇と藤原家の掛け軸があったことから、

 

人々は、

 

「床の間のある店」→「床場」→「床屋」

 

と呼ぶようになったと言われている。

 

采女亮は1335.7.17に没したが、昭和初期の頃

 

で全国の理容・美容業者は敬髪と元祖の冥福

 

祈るため、毎月17日を定休日としていた。

 

の命日が17日であった事に由来すると

 

言う説ある。

 

 

下関市の亀山八幡宮には、「床屋発症の地」

 

記念碑がある。

 

 

実は采女亮の父・藤原基晴は京都御所の武士で

 

したが、宝刀を紛失してしまい職を辞し、采女

 

亮を連れて宝刀探索の為、当時蒙古襲来で風雲

 

急を告げていた下関に下り、采女亮は髪結業で

 

生計を立て宝刀探索をした。とさ。

 

 

 

幕末の横浜、髪結師だった小倉虎吉らが外国船

 

へ出向き髭剃りをし、外国人理髪師の散髪技術

 

を覚え、明治2年「西洋散髪司」と名乗り、山

 

下町148番地(現在の中華街)に店を開いたの

 

が、日本人経営の西洋理容の始まりといわれ

 

る。


*カットハサミの歴史。

 

 

世界で最も古い物は紀元前1000年の古代ギリ

 

アの遺跡から見つかっている。実に3000年

 

前。これは単に見つかっている中で一番古

 

いというだけで実際の発明はさらに前だと思

 

われる。 

 

 

日本にハサミが伝わったのは6世紀に中国から

 

しい。

 

当時は「握り鋏」が主で、使う人が限られて

 

り、一般庶民に普及したのは明治時代以降

 

とされている。理容鋏は明治初年で、フラン

 

ス人のコルテによりもたらされた。 

 

 

江戸時代頃までは、女性は極端に言うと一生

 

髪を切らなかったらしい。

 

男もそれまでは髪は長く結ぶのが大昔から主

 

流。切るのは小刀等であったであろう。古来

 

らヘアスタイルは「切って整えるものでは

 

く、長く伸ばした髪を結いあげる」だっ

 

た。 

 

 

明治4年の「断髪令」が施されたところから理

 

の歴史が変わり始めた。理容鋏が不足し、

 

10年に国産化された。


*床屋・散髪屋・barber(バーバー)等いろいろ呼び                     

 

 名はありますが、barber(バーバー)の語源は?

 

 

元々はラテン語の「barba ひげ」から来てい

 

す。1300年ごろに「理容師」という意味の

 

英単語になったそうです。

 

 

ラテン語「barba ひげ」→中世フランス語

 

「barbeor ひげを剃る人」→中世英語

 

「barbour 」→現代英語「barber 理容師」

 

 

という流れらしい。 

 

なぜひげから来たかというと、理容師がもと

 

と髪を切らずにひげだけを切ったという訳

 

ではなく、

 

「毛」

 

なら何でも切ったり刈ったりしていたという

 

由から。その「毛」の中には当然、ひげが

 

含まれていたという事らしい。


*バリカン? クリッパー?

 

 

刈り上げに使ったり、坊主にする時に使うバ

 

カン。

 

正式名称はクリッパーと言います。

 

 

歴史で言うと、19世紀中期にセルビア人が

 

理を考案。理容用は米国の自動車会社のリ

 

カーン社やキャデラック社を創業したヘン

 

リー・リーランドが発明したとされている。

 

 

1919年に米国ウオール社の経営者、Leo J.

 

Wahlが電磁式バリカンの特許を出願し、電動

 

バリカンの製造・販売を開始した。

 

日本では、明治16年(1883)、在フランス日

 

公使館書記官・長田桂太郎が持ち帰り、

 

容師の鳥海定吉が最初に使用して普及したと

 

言われている。

 

その後、国産品を含め昭和10年(1935)にピー

 

を迎えるが、戦後30社あった手動バリカン

 

の製造会社は電動バリカンの普及により製

 

を止めた。

  

 

そして、バリカンと呼んでいる人も多いが、

 

式名称は

 

「クリッパー」

 

その語源は長らく不明だった。

 

答えは、日本に最初にもたされたクリッパー

 

が、フランスのバリカン・エ・マール製作所

 

ものであった事に由来して通称となり広

 

まったとされる。


*定休日のお話

 

 

全国的に理美容店の休日は月曜日が多く、東

 

や川崎を除く神奈川では火曜日が主流。な

 

ぜそうなったのか?

 

 

第二次世界大戦前後の日本は、渇水や石炭不

 

で深刻な電力不足に陥り、電力の供給を停

 

止させた「休電日」という日があった。それ

 

が月曜日だったため、電力をたくさん使う理

 

美容業界も店を閉めざるを得ず休みとした。

 

関東は火曜日が休電日だったので火曜日が定

 

日となった。

 

その文化が今でも残り続けている。

 

 

それ以前、昭和初期までは、毎月7・17・27

 

とするところが多かった。その理由には業

 

祖・藤原采女亮(うねめのすけ)の命日(7月17

 

日)に由来する説と、徳川家康の命日(4月17日)

 

に由来する説がある。


*理容椅子の歴史

 

 

最初、ダイニングチェアのようなものだった

 

が、枕が付き、1850年頃より寝起こし機能が

 

いた。

 

 

初めて日本で理容椅子が使われたのは、明治

 

20年(1887)といわれ、舶来品であったが、

 

国産の理容椅子は明治35年頃から使用され始

 

めた。

 

当時、理髪店では樽を椅子がわりにしていた

 

が多くあったが頑丈な四つ脚椅子の出現に

 

り、非常に人気を呼んで次第に普及して

 

いった。

 

 

1950年代に油圧の機構で座面の高さが昇降す

 

ようになり、大ヒット。 

 

1962年に電動油圧ポンプで昇降する世界初の

 

容椅子が完成。

 

1966年(昭和41年)にはリクライニングの昇

 

が電動となり、理容業の向上と共に急速に

 

椅子が改良されてきた。 

 

 

・・・ちなみに値段は20万円。当時の椅子の

 

以上。これを作るのにあたって老若男女数

 

万人のデータを基に理想的な椅子を倒す時の

 

スピード、角度にたどり着いた答えは、

 

 

背もたれの角度96度から151度。

 

椅子をリクライニングする時の昇降は3秒。

 

椅子の昇降速度は15センチを6秒で上げ下げ。

 

 

これが誰もが快適と感じるらしい。タカラベ

 

モントの父が作った。